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八月納涼歌舞伎 [歌舞伎!!]

8月11日と12日、1泊して東京に行ってきました。先週に引き続き、歌舞伎の世界へ。
今回は海老蔵さんは出ないけど、現在の歌舞伎界で活躍する名だたる役者さんたちが勢ぞろい。ほんとに豪華な顔ぶれなんですヨ。今までTVドラマなどでは観たことがある役者さんたちが、本業である歌舞伎役者としてどういう演技をするのか、とても楽しみにして観に行きました。

名古屋から歌舞伎座に行くには、新幹線で品川まで行き、品川で都営浅草線に乗り換えて東銀座まで。名古屋駅から約2時間弱で到着。乗り換えは1回なので、とても便利です[るんるん]

歌舞伎座B1Fの木挽町広場でランチ、『歌舞伎うどん』。豚肉とごぼう、大根おろしがはいったうどんです。美味しい[るんるん]
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歌舞伎座では通常、11時からのお昼の部と16時半からの夜の部の二部制なんですが、平日の夜に仕事帰りの人でも見られるようにと、時々三部制となる時があります。
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第一部は11時から、第二部は14時15分から、第三部は18時30分からです。
二部制の時と比べると、それぞれ若干チケット代は安くなっていますが、全部観ようと思うと割高になってしまうんですね~

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以前書いたように、値段の安い幕見席を求めて並んでいる人がたくさんいました。

1日目は第二部と第三部を観ます。
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『修善寺物語』
父・夜叉王(坂東彌十郎さん)の恐ろしいまでの技への拘りと、娘・桂(市川猿之助さん)の悲劇のお話。
夜叉王は腕の良い面作師で、将軍源頼家(中村勘九郎さん)から頼家そっくりのお面を造るよう依頼されていますが、なかなか良い出来栄えのものが出来ずにいました。作っても作っても、生気のないお面になってしまうのです。業を煮やした頼家が訪ねて来て、夜叉王の煮え切らない返答に腹を立て、夜叉王を手にかけようとします。それを救おうと桂が差し出したのが、夕べ出来上がったお面。頼家はそれを受け取って喜んで帰りました。ところが夜叉王はその出来に満足しておらず、『あんな出来損ないの面が世に出るのは、自分にとっては最大の恥、後世まで自分の不名誉な作品が残ることが耐えられない』と憔悴します。
そして桂はというと、職人の家に生まれて平凡な相手と結婚するのは嫌だ、高貴な人に見染められて、高貴な人生を送りたいと常々言っていましたが、この時頼家に見染められて、愛妾として頼家と行動を共にすることになったのでした。
ところが、頼家は北条家に命を狙われており、桂と共にいるところを襲われます。桂は頼家の身代わりになるために夜叉王の作った頼家そっくりのお面をつけ、刀傷を負いながら、夜叉王の元まで逃げてきます。そして娘である桂が絶命寸前にも拘らず、夜叉王は頼家のお面を凝視して悟ったのでした。自分が何度作っても頼家のお面に死相が現れていたのは、頼家が死ぬ運命だったからだと。それは自分の腕が究極の域に達しているからだったのだと喜ぶのです。
そして自分の腕をさらに高みにしたいと思い、若い女の断末魔の顔のお手本にするために、死にかけている桂の顔を上げさせて一心不乱に描き留める・・・という恐ろしい結末でした。

このお話は、明治以降に造られた新歌舞伎というジャンルです。古典歌舞伎は勧善懲悪がはっきりとしていたり、武家の主従関係や親子、夫婦の固い絆を描いているものが多くて、観る方の受け取り方もだいたい同じ・・・なような気がしますが、新歌舞伎は明治以降の作家によって作られたお話が元になっていることが多いので、観る人によって受け取り方が様々かもしれません。
このお話も、夜叉王の究極の職人魂が素晴らしいと思う人、分不相応に高望みをしていた桂の願いが叶ったと思ったら死ぬことになってしまう運命の皮肉さを、自分への戒めと捉える人、桂の悲劇を可哀そうだと思う人、死相の表れたお面を自分への警告と捉えずに喜んで持ち帰った頼家の浅はかさを憂う人・・・観る人の価値観によって感じ方が変わるという不思議な感覚のお話でした。

第二部の二つ目の演目、『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖(こびきちょうなぞときばなし)』
昨年に引き続き、市川猿之助さんと市川染五郎さんの弥次喜多コンビが宙乗りに挑戦[exclamation]
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江戸時代のベストセラー、十返舎一九の東海道中膝栗毛を元に、昭和初期から弥次さんと喜多さんが全国を旅するお話を歌舞伎でも上演されるようになりました。主人公は不変だけど、物語はその時々の演出家や脚本家によっていろいろ楽しく作られているようです。今回の演出・脚本は、猿之助さんです。
猿之助さんと染五郎さんコンビの弥次喜多道中は、時事ネタも取り入れたり、あり得ない場所へ旅したり(なぜかラスベガスまで宙乗りで飛んで行ったり・・・[わーい(嬉しい顔)])、笑いで満載の楽しい演目となっています。今回のお話は第二弾。全国を旅するのがお約束のはずが、なんとこの歌舞伎座が舞台となるのです。
昨年の結末で一文無しとなってしまった弥次さん喜多さんは、お金を稼ぐためにこの歌舞伎座で黒子のアルバイトを始める!ところから、物語は始まります。歌舞伎座が舞台なので、歌舞伎の有名な演目『義経千本桜 四の切』が劇中劇として登場します。この演目は狐忠信が宙乗りするところが一番の見どころなんですが、実は、この狐忠信は猿之助さんの十八番中の十八番のお役なんです。この舞台中では別の役者さんが狐忠信になるんですが、黒子の喜多さんが『狐忠信』の所作をなぜか良く知っている・・・という、なんとも面白い演出がありました。

そして、その義経千本桜の舞台稽古中に殺人事件が起こり、2人は犯人にされそうになり・・・。疑いを晴らすために、これまた昨年の舞台でも弥次喜多コンビと一緒に旅をした梵太郎と政之助と共に、犯人捜しをする…というお話。梵太郎は染五郎さんの息子松本金太郎さん、政之助は中車さんの息子市川團子さんという配役です。

金太郎さんと團子さんは同じ中学に通う仲。来年1月に親子三代(松本幸四郎さん、市川染五郎さん、松本金太郎さん)同時襲名をする予定で、松本金太郎さんは八代目市川染五郎さんを襲名することが決まっています。金太郎さんは高麗屋の大名跡を継ぐ跡取りであり、4歳で初舞台を踏んでいます。クールなイケメンくんです。
團子さんの方はといえば、お父さんの中車さん(香川照之さん)が色々な事情で46歳で歌舞伎デビューした時に、一緒に歌舞伎の世界に飛び込んだのでした。團子さん8歳の時だそうです。金太郎さんとは対照的に、おしゃべりで人懐っこい男の子だそうです。ちなみに猿之助さんは團子さんの叔父さんにあたります。。。。
この2人は将来の歌舞伎界を担って立つ人材として期待されています。この舞台でも2人の台詞はかなり多かったんですが、團子さんの方が良く通る声でハキハキとしてました。金太郎さんはほっそりとしたイケメンなので、女方が向いていそうだなぁ~と思ったのでした。團子さんは、叔父さんの猿之助さんは結婚していないし、するつもりもないらしく(!)、中車さんが歌舞伎界に飛び込んだのも、團子さんに澤瀉屋(おもだかや)の大名跡を継がせるため…という思惑があったりと(このことについては賛否両論あるそうですが)、色々な複雑な事情があるようですが、いずれにしても二人とも歌舞伎界の若手ホープということは間違いないようですね。

そして第三部は『野田版 桜の森の満開の下』。劇作家・演出家の野田秀樹さんの演出による新作歌舞伎です。
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主人公は中村勘九郎さん、染五郎さんや勘九郎さんの弟七之助さんがメインキャスト。
お話の内容は…正直言って、よく分からなかったというのが感想...(^^;
第二部の『修善寺物語』と同じように現代劇をベースにしたお話なので、『けっきょく、何が言いたかったんだろう・・・?よく分からない話だったなぁ~』という感想でした。

第三部が終わって歌舞伎座の外に出た時に、他のお客さんが話していたのが聞こえました。『これを歌舞伎座でやる意味があるの~?』と。特に第三部は演目はこのお話だけだったので、歌舞伎を観たいと思ってきたお客さんからすると『???』と思ったのは当然かなと。先週の海老蔵さんの六本木歌舞伎を観に来たおばあちゃんに『これって、スーパー歌舞伎っていうんですかねぇ~』と話し掛けられたのと同じですね。私も、歌舞伎座でやる演目じゃないなぁ~と思いました。
歌舞伎を観たい人は、荒事の見得を切るところや独特の所作立て、分かりやすい勧善懲悪や美しい絆の物語が面白いと思って、それを楽しみに観に来ている気がします。
スーパー歌舞伎のように、若い世代にも歌舞伎の面白さを知ってもらうために工夫された演目もそれはそれで面白いでしょうが、それを分かって観に行くのと、歌舞伎を観るために歌舞伎座へ行くのに演劇のような歌舞伎を観ることになるのとでは、観終わった後の満足度が違うと思います。
役者さんの芸達者ぶりはどんな演目でも変わらないんですが・・・役者さんをはじめ歌舞伎界の人たちは、ずっと歌舞伎をやっているので、たまには新ジャンルの演目をやってみたいと思うのかもしれませんが。。。
もちろん、自分でチケットを買うのだから、演目を選べばよいということなんですが、歌舞伎の魅力は話の面白さだけでなく、贔屓の役者さんが出ているから…と役者さんで判断することも多いんじゃないでしょうか。
…と長くなってしまいましたが、チケット代も高いので、演目の内容も良く判断してから買うことにします(^^;

ここで、歌舞伎座の小ネタをいくつか。
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歌舞伎の幕といえば『定式幕』が有名ですね。この後の写真にも出てきますが、黒→柿→萌黄の三色の配列の幕。これは一目見て『歌舞伎座だっ!』と分かります。実はこの定式幕も長く伝承されているもので、幕の始めや終わりに引き手が手で開け閉めする『引幕』と言われるもの。この引幕は『江戸三座(中村座・市村座・森田座)』という江戸幕府から許しを得た特別な芝居小屋にしか使用を許されていませんでした。それぞれに色や配列が異なっており、現在歌舞伎座に常設されているのは、森田座で使われていたものだそうです。
ただ、時々は、どういう事情なのかは分かりませんが、中村座で使用されていた配色のものも歌舞伎座に登場するようです。
定式幕は舞台の始まりと終わりに開閉されるのですが、他にもいろいろな意味を持つ『幕』があります。その一つが『緞帳(どんちょう)』。歌舞伎以外の舞台など、劇場に入ると目にする幕ですね。
この緞帳、シンプルな定式幕とは違って見事な絵柄の刺繡が施された立派な幕なので、明らかにお金が掛かってそうです(^^; ちなみに調べてみると・・・なんでも一幕5000万円也~[ぴかぴか(新しい)] 幕間の時間にこの緞帳が紹介されるのです。それも一つではなくて、何種類か。協賛や広告として企業がお金を出しているのです。TVや映画館ならCM、歌舞伎座なら緞帳、という訳ですね。

最初の幕間の時間はだいたい30分ほど。今回は三部制でそれぞれの演目の時間が短めだったせいか、最初の幕間は25分でした。この間に皆さんが何をするかと言えば…食事[exclamation]
歌舞伎座の中にもいくつか食事処があったり、お弁当を買って自分の席で食べることも出来ます。ただ、30分というとご飯を食べるにはけっこうハード。なのでこれまで私は幕間にお弁当を食べるのではなくて、もなかアイスなどデザート系しか食べたことがありませんでした。が、今回第二部と第三部の間、約1時間の待ち時間があったので、その時間にお弁当を買って食べてみました。『おでん弁当』、1000円だけど、けっこう美味しかったです。
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そしていつも行列が出来ているもの、それがこちらのたい焼き。歌舞伎座の名物です。普通のたい焼きに見えますが、中に紅白のお餅が入っているんですヨ~
幕間の時間の限定販売なので、ふと見るといつも売り切れ。ですが、この日は第二部と第三部の間、売店あたりをウロウロしていたので、たい焼き並ばずに買えました。
おでん弁当でお腹いっぱい、糖質ダイエット中にもかかわらず、思わず買ってしまいました~(^^;
出来立てで、めちゃくちゃ美味しかったですヨ~

こちらが、さっき書いた『定式幕』。注目は花道との距離感[ひらめき] 1日目の第二部と第三部は二階席の後ろの方でしたが、2日目の第一部は1階11列目。花道から4席目というなかなか良い席をGETすることが出来たのです。
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花道の脇はこんなふうになっていて、役者さんが花道から登場する時は、飛行機が夜に着陸する時に点灯される誘導灯のように光るんですヨ。

2日目、第一部の最初の演目は『刺青奇遇(いれずみちょうはん)』。
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中車さん演じる半太郎と七之助さん演じるお仲の夫婦の愛の物語。
実は、中村七之助さん、数年前に亡くなった中村勘三郎さんの次男ですが、お兄さんの勘九郎さんと比べて線が細いなぁ~と思っていました。
ところが、この演目を観て、それはまったく見当違いだということに気付いたのでした。七之助さんは女方ですが、前日第三部でも重要な役どころで女方を演じていて『存在感あるなぁ~』と思っていたところ、この刺青奇遇の舞台での七之助さんの演技が素晴らしくて実力派だ!と思ったのでした。
お兄さんの勘九郎さんは、勘三郎さん、中村屋の跡目としての役割をきっちりと果している印象なんですが、演技力は七之助さんの方が上だなぁ~と。
どう見ても、女性にしか見えない。素顔も元々ほっそりとした女性っぽい顔立ちなんだけど、台詞回しや所作がほんとに女性らしい…ほんとに意外な発見といった感じでした。

中車さんの方も、歌舞伎役者としての経歴は浅いけど、さすがにプロの俳優さんと思える演技。
歌舞伎界に入った経緯から他の歌舞伎役者さんからの風当たりが強いようですが、中車さんが出る演目はチケットが即完売となるほど、人気はかなりなものだそうです。歌舞伎役者としての実力は未知数だけど、抜群の知名度と人気があるので、この演目のように主役に抜擢されることが多いようですね。そのことを良く思わない役者さんや梨園関係者も多いでしょうが、興行的にはお客さんを呼べる役者さんをメインキャストにするのはもっともなことですし。
ただ、この演目のように世話物と言われるジャンルでは、歌舞伎独特の所作や踊りなど、長い鍛錬や経験が必要な演技は少なくて、感情移入や台詞回しが重要。そういう意味では、俳優として数々のドラマや映画に出て圧倒的な存在感のある演技が定評の中車さんにとっては、充分その力を発揮出来るのではないかと。実際に、歌舞伎の舞台上でもかなり存在感ありました。

第一部の次の演目は『玉兎』。勘九郎さんの長男、勘太郎くん6歳の踊りです。
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6歳にして一人で一つの演目を演じる・・・物凄い重責であろうことは誰が見ても思います。まだまだおぼつかない感じはあったけど、とにかくカワ(・∀・)イイ!!
10分ちょっとの演技時間、舞台上にはただ一人なのに、堂々と務めていました。勘太郎くんも中村屋の大名跡を継ぐ跡取りとしての仕事を立派に成し遂げていましたヨ。

歌舞伎界は大ベテラン、重鎮の役者さんたちも脇をしっかりと固めておられますし、現在主役をはる花形役者さんたちはそれぞれの屋号を引っ張るように活躍されています。そしてその息子さんたちも将来のスターであることを小さな頃から自覚させられるように重要な役どころについてとても良い演技をしてくれていて、将来がとても楽しみです。

第一部最後の演目は『団子売り』。勘九郎さん演じる杵造と猿之助さん演じるお福、仲の良い団子売りの夫婦の踊りです。
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今回の八月納涼歌舞伎すべての演目の中で、一番良かったかも。特に猿之助さんが素晴らしい[ぴかぴか(新しい)] 名前の通り福々しいおかみさんの表情豊かな踊り、勘九郎さんとの掛け合いも絶妙で、目が釘付けになりました。ほんとに素敵な、心を和ませてくれる楽しい踊りでした。
しかも第一部の席が花道にとても近かったので、2~3mの至近距離で花道を通る猿之助さんを観ることが出来て、めちゃくちゃテンション上がりました。

今回すべての演目を観て思ったのが、私が『歌舞伎』と思っているジャンルのものがほとんどなくて、ちょっとつまんなかったなぁ~ということ。
実際にはどれも『歌舞伎』なんですけどね。
というのも、歌舞伎にはいろいろな種類の演目があるのです。分類の仕方も、成り立ちの違い、作られた時代の違いなどたくさんの分類方法があるようです。細かく分けるとものすごく分かりにくくなるので、大雑把に紹介します。

歌舞伎の成り立ちで大きく分けると、人形浄瑠璃(文楽)で演じられていたお話を歌舞伎にした『丸本物』または『義太夫狂言』と言われるジャンルと、初めから歌舞伎で上演するために狂言作者によって書かれた演目の『純歌舞伎』、明治以降に文学作家によって書かれた演目『新歌舞伎』、そして戦後から現代の作家が書いたオリジナルの演目が『新作歌舞伎』や『スーパー歌舞伎』・・・というように分けられます。
そして『丸本物』は、江戸時代よりも前の公家や武家の世界を描いた『時代物』と、江戸時代の庶民生活が舞台の『世話物』というものに分けられます。
『時代物』は歴史上のヒーローが主役ですが、史実通りのお話とは限らず、誰でも知っているようなエピソードをさらに面白く脚色したり、創作されたお話も多いそうです。
これに対して『世話物』は、江戸時代に実際に起きた事件を題材にしたものが多い。TVやネットのなかった時代、世の中で起きた大事件を大衆が知るための手段としての歌舞伎だったのです。『曽根崎心中』や赤穂浪士の討ち入りを題材にした『仮名手本忠臣蔵』など、実際に起こった事件を取材して作られています。

これ以外にも、市川海老蔵さんの先祖、市川宗家が生み出した『荒事(あらごと)』、舞踊などがあります。
『荒事』は誇張された衣装や所作、隈取り、大見得・・・というような豪快な荒々しいお話。初歌舞伎、團菊祭五月大歌舞伎で観た『壽曽我対面』や七月大歌舞伎の『矢の根』など、曽我五郎の演目は『荒事』に分類されます。

…で、今回いろいろなジャンルの演目をみて、私が好きなのは、いかにも歌舞伎らしい『荒事』、『時代物』、『世話物』、『舞踊』かなぁ~ということを悟ったのでした。

そして今回初めて観た役者さんについては・・・やっぱり一番良かったのは猿之助さん。第一部では女方での舞踊、第二部では一幕目は悲劇の女方、二幕目は宙乗りをするひょうきんな喜多八・・・と全く違う役どころでした。特に『団子売り』の勘九郎さんとの踊りは、本当に素敵でした。
市川猿之助さんは、立役(男役)も女方(女役)も両方こなされる役者さんですが、特に女方には定評があるそうです。猿之助さんの歌舞伎は初めて観ましたが、ほんとに凄いと。海老蔵さんとはまた違った凄さを感じました。

2日目の歌舞伎が終わった後、歌舞伎座5Fにある『歌舞伎座ギャラリー』に行ってみました。歌舞伎の小道具などを実際に体験出来たり、特別映像を観ることが出来ます。
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ミニ舞台があるんですが、ここで役者さんたちのトークイベントなどもやっているようです。

お目当ては、特別映像。猿之助さん十八番の『狐忠信』が宙乗りするまでの舞台設営から練習風景など見ることが出来ます。猿之助さんの解説つきで30分ほどの映像でした。
無知な私は、宙乗りってスーパー歌舞伎の演出だと思っていたんですが、時代物の『義経千本桜』の狐忠信の宙乗りなど、江戸時代からあった演出だそうです。びっくり!初代市川団十郎さんが始めたとのこと。
近世には途絶えていたようですが、猿之助さんの先代の猿之助さん(今の市川猿翁さん)が今から50年ほど前に復活させて、今では一般的によく見られる演出になったそうです。なんと、先代の猿之助さんは5000回も宙乗りをして、ギネスブックにのったとか。今の猿之助さんもその跡を継いで、今年5月に宙乗り1000回[exclamation]を達成されました~
江戸時代には縄で体を吊っていたのでとても危険だったそうですが、現在はワイヤーになりました。が、それでも危険を伴うので、無事を祈って祈祷する場面も映像にありました。
とてもワクワクする楽しい演出ですが、事故のないように祈るばかりです。

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最後に紹介するのは、歌舞伎座の横に鎮座する歌舞伎稲荷神社。歌舞伎舞台の守護として祀られています。

この4ヶ月間で一気にたくさんの歌舞伎演目を観ましたが、とりあえずしばらくはお休みします。海老蔵さんの舞台もしばらくなさそうだし。
でも常にアンテナを張って、観たい役者さんや演目を見逃すことがないようにしま~す。

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