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七月大歌舞伎2019 [歌舞伎!!]

7月27日、待ちに待った歌舞伎座へ。引っ越してからは初めての歌舞伎座、最寄り駅から乗り換えなし、ドアツードアで45分ほどで到着。なんとも楽ちんになりました。

海老さまとしては最後の七月大歌舞伎。海老さま一人で十三役を勤める通し狂言星合世十三團成田千本桜、そして勸玄くんの外郎売の早口言い立て。どちらの演目も、後世に語り継がれる素晴らしい演目となりました[ぴかぴか(新しい)]
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勸玄くんのこのポスター、通常の特別ポスターとはちょっと違うバージョンなんですヨ。3階の北側たい焼き屋さん近くの壁にありました。
海老さまの表情がとても優しいデス。実際の舞台でも、二人並んでこの見得をする場面がありまして、その時の海老さまが何ともうれしそうで、とても微笑ましかったですね。

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昼の部は1階9列8番。花道から2列目でばっちりと観える席のはずが・・・右斜め前の方の座高が高くて頭も大きく逆立て系髪型の男性だったので、舞台中央がほとんど見えず[たらーっ(汗)] 歌舞伎座の1階座席は傾斜が緩やかなので、こういうことがよくあります。
歌舞伎鑑賞の際は、帽子はご法度だし、女性は上に盛らない髪型というのが常識ですが、男性の髪型についてはあまり意識されていないようですね~ 

昼の部の一つ目の演目は、「新歌舞伎十八番の内 高時」私の好きな河竹黙阿弥作です。
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主人公の高時を勤める市川右團次さんが、八羽の天狗と共に激しく乱舞するところが眼目。天狗たちの身体能力の高さも圧巻ですが、御年55歳の右團次さんの身のこなしもスゴイです。

二つ目は「西郷と豚姫」。西郷吉之助とお玉の悲恋を描いた演目。
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お玉を中村獅童さん、吉之助を中村錦之助さんが勤めます。お玉は体格が良くて豚姫と呼ばれていますが、性格が良いのでみんなから慕われています。そんなお玉が心を寄せるのが西郷吉之助。その純粋な乙女心を、獅童さんがほんとに上手く表現されていて、観客もほのぼのとした気分になりました。こういう三枚目の役柄で観客の心を掴むのは、現役役者さんの中では獅童さんがピカ一です。

三つ目は「新歌舞伎十八番の内 素襖落(すおうおとし)」海老さまの舞踊を堪能できる演目。
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お酒に酔っぱらう様子をコミカルに踊ったかと思えば、「物語」では勇ましい源義経と那須与一を踊り分け、再び素襖を探してあたふたとする掛け合いの踊り。海老さまといえば、荒事や光源氏といった、とにかくカッコいい役柄が多いので、コミカルな役柄はとても新鮮なかんじ。

四つ目、「歌舞伎十八番の内 外郎売(ういろううり)」勸玄くんの早口言い立てが眼目。
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勸玄くんの早口言い立て、ワイドショーで何度もオンエアされていたので、歌舞伎を観ない人の中でも勸玄くんの凄さが話題となっていましたね。4分もの長台詞を間違えたりつっかえることなく、朗々と、抑揚をつけて言い立てる様子は、一言で言い表せないほどに圧巻。テレビでほんの一部を観ただけでも鳥肌が立って涙が出たので、本物を生で観たらどうなることやら…と思ってました。が、実際には「固唾をのんで見守る」「口を開けて、呆気に取られる」といった感じ。客観的には観られず、観客のみんなが「自分の近しい人が何かをやってのけるところを応援して見守る」といった状況でした。

私が観たのは千穐楽の前日。千穐楽の海老さまのブログには、この外郎売で勸玄くんは舞台上で泣き出してしまったとありました。この日の早口言い立てが勸玄くんにとっては納得のいく出来ではなかったことが、悔しかったようです。4分間をつっかえることなく言い立てることだけでは満足せず、スムーズな息継ぎであったり抑揚であったり、ちゃんとした歌舞伎の台詞回しとして完璧にしたいという、プロ根性に脱帽です。
24日間ほぼ休みなく毎日この演目を演じ、24回の早口言い立てを披露する。その24回を毎回完璧なものにしなければならないなんて、大人でもなかなか難しいことです。中にはちょっと失敗しちゃったという日もあるでしょうが、6歳にしてその妥協を許さないなんて、ほんとに将来が楽しみな俳優さんですね。
お隣の席の同年代の方とも、語り合ってしまいました。「勸玄くんが大人になって活躍する姿を観るまでは、生きていたいですね~」と。

続いて夜の部。「通し狂言 星合世十三團成田千本桜(ほしあわせじゅうさんだんなりたせんぼんざくら)」 歌舞伎の三大名作「義経千本桜」をもとに、色々な新しい演出を取り入れた演目。海老さまが一人で十三役を勤めることも眼目の一つ。
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「義経千本桜」はとても長いお話しで、主要な主人公も三人出てくるお話なので、通しで上演されることはほとんどありません。多くの物語がある中で特に有名で何度も上演されるのが、「碇知盛」の通称で知られる「渡海屋大物浦」、「いがみの権太」の「すし屋」、そして「源九郎狐」が登場する四の切り「川連法眼の館」。この他にも色々な物語があり、それぞれ単独で上演されることが多いので、私自身も観たことがある演目はありました。でも、それぞれ別のお話としか思ってませんでした。
が、実はそれぞれのお話の大元には、源義経と源平の合戦で死んでいった平知盛、平維盛、平教経の三人が実は生きていて・・・という設定があります。なので、その背景を知りながら通しで観ると、「あのお話しのエピソードが、実はここで繋がっているんだ~」ということが良く分かります。そしてそれは「義経千本桜」という超大作の真の醍醐味なんだと思います。だけど、通しで上演するには長すぎる...
そういう意味では、今回海老さまが通し狂言として挑戦したことは、歌舞伎界にとっても大変意味のあることだと。

今回の夜の部上演時間はなんと4時間。その間、海老さまはほとんど出ずっぱり。十三役の早変わりもビックリですけど、どの役も同じように見えないのがすごかったですね~

月の半ばには、海老さまが急性咽頭炎のために、夜の部は3日間公演中止になってしまいました。歌舞伎座の公演では俳優さんが急病で出られなくなっても代役が立てられるので、公演そのものが中止になることはほとんどありません。けれどもこの夜の部の演目は、海老さま以外には誰も演じられません。海老さましか出来ない。それに観客は海老さまを観に来ている人がほとんどなので、代役で上演されるよりも、中止になってチケット代を払い戻してもらう方が良いというお客さんの方が多いと思います。賛否両論あるでしょうし、色々な方面に迷惑を掛けてしまったこと、海老さま自身が一番申し訳なく思っていると思いますが、このアクシデント以上に、この演目の出来栄えが素晴らしく、やはり海老さまにしか出来ないことだったと、称賛されているのだと思います。

千穐楽前日の段階でも本調子ではないとのことでしたが、そんなことを全く感じさせないほどに、気迫を感じる舞台でした。特に、碇知盛の名場面、血まみれの知盛が自ら碇を抱えて入水するシーン、壮絶な最期がとても印象的でした。

そして、物語のエンディングにも趣向が凝らされていました。
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サクラの花吹雪が客席に向かってぶわーッと[るんるん] 私もサクラまみれに[わーい(嬉しい顔)]
以前の公演でもこの演出がありましたが、歌舞伎座でもやるってところが、さすが海老さまだな~と。

今回の七月大歌舞伎、どれも面白かったです。お昼の11時から夜の9時半まで、合計8時間ほぼ座りっぱなしでしたが、あっという間に終わったかんじです。
海老さま、勸玄くん、お疲れさまでした~
それから、全演目、六役を勤められた児太郎さんもお見事でした!

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